アストンマーティン DB11。
その流麗なデザインとブランドの響きに憧れを抱く一方で、V8とV12の違いは?実際の維持費は?中古車は大丈夫?
といった現実的な疑問も尽きないのではないでしょうか。
このアストンマーティン DB11 総合ガイドを読めば、スペックや価格といった基本情報はもちろん、オーナーの生の声から判明したリアルな維持費、賢い中古車の選び方まで、あなたの主要な疑問点を網羅的に解説します。
V8とV12の徹底比較、年間のリアルな維持費シミュレーション、そして英国の美学が宿る内装デザインの秘密まで、余すところなく解説します。
メーカーの公式データと複数の専門メディア、そして実際のオーナーからの情報を基に、どこよりも信頼できる情報をお届けします。
この記事でわかること
- V8とV12の明確なキャラクターの違いとあなたに合うモデル
- 年間120万円~のリアルな維持費とその内訳
- 3年後のリセール相場(45~55%)の実態
- 失敗しない中古車の具体的なチェックポイント
- フェラーリやベントレーにはない、DB11ならではの魅力
そもそもアストンマーティン DB11とは?歴史とモデル構成

ここでは、アストンマーティン DB11がどのような立ち位置のモデルなのか、その歴史的背景とラインナップの全体像を解説します。このクルマが持つ独自の価値を理解するための基礎知識です。
DB9から受け継いだ「第2世紀プラン」最初のモデル
アストンマーティン DB11は、2016年のジュネーブモーターショーでデビューした、英国を代表するグランドツアラー(GT)です。(出典: Motor-Fan)
伝説的なモデルであるDB9の後継として、アストンマーティンの次なる100年を見据えた「第2世紀プラン」の幕開けを飾る最初のモデルとして、大きな注目を集めました。(出典: Motor Magazine Web)
DB11のモデル構成:V8、V12(AMR)、ヴォランテの違い
DB11の主力ラインナップは、クーペモデルの「V8」と「V12 AMR」、そしてオープンモデルの「ヴォランテ」という3つの基本構成から成り立っています。
初期デビューはV12モデルのみで行われ、評価の高いAMG製V8エンジンを搭載したモデルは2017年に追加されました。(出典: YMワークス, autoc-one)
それぞれエンジンやボディ形状が異なり、ドライバーの好みに合わせた選択が可能です。
後継モデル「DB12」登場による現在の立ち位置
2025年現在、後継モデルであるDB12の登場に伴い、DB11は公式に生産終了となっています。市場に出回っているのはディーラーの残余在庫や中古車のみです。
しかし、その完成されたデザインとV12エンジン搭載モデルの存在から、中古車市場では依然として高い評価と人気を維持しています。(出典: 価格.com)
【徹底比較】アストンマーティン DB11のV8とV12、走りの違いは?

ここでは、アストンマーティン DB11の購入を検討する上で最大の選択肢となる「V8」と「V12」の違いを徹底比較します。
スペックの数字だけでなく、実際のオーナーがどう感じているかまで深掘りし、あなたにとってのベストな選択をサポートします。
スペック比較表:馬力、トルク、車重、加速性能の違い
まずは基本的なスペックの違いを比較表で確認しましょう。
| 項目 | DB11 V8 | DB11 V12 (AMR) |
|---|---|---|
| エンジン | AMG製4.0L V8ツインターボ | 自社製5.2L V12ツインターボ |
| 最高出力 | 510-528ps | 608-630ps |
| 最大トルク | 675Nm | 700Nm |
| 0-100km/h加速 | 4.0秒 | 3.7-3.9秒 |
| 車両重量 | 約1,760kg | 約1,875kg |
(出典: Motor-Fan TECH, webCG)
ハンドリングのV8か、官能性のV12か?オーナーが語る走りの個性
V8モデルは、V12モデルよりも約115kg軽量です。この重量差が、走りに明確な違いを生み出しています。(出典: carview!)
多くのオーナーレビューで、V8は「ハンドリングが俊敏で、クルマとの一体感が強い」と評価されています。
一方、V12は「どこまでも続くかのような余裕のある加速と、伝統的なGTカーらしい重厚感」が魅力とされています。(出典: webCG)
エンジンサウンドの違いは?AMG製V8と自社製V12の音響特性
エンジンサウンドも、モデル選びの重要な要素です。
V8モデルのサウンドは、メルセデスAMG由来の力強く乾いた音質が特徴です。一方、V12モデルは、アストンマーティン伝統の滑らかで官能的なエンジンサウンドを奏でます。
どちらが良いというわけではなく、V8のスポーティなサウンドを好むか、V12のクラシックな音色を好むかで評価が分かれます。(出典: みんカラ)
結論:あなたにおすすめなのはV8?それともV12?
V8がおすすめな人: 軽快なハンドリングを重視し、ワインディングロードなどを積極的に楽しみたい方。また、AMG製エンジンによる信頼性や、V12に比べて若干維持費を抑えたい方。
V12がおすすめな人: アストンマーティン伝統の12気筒エンジンが持つフィーリングとサウンド、そして圧倒的なパワーを最優先したい方。将来的な希少価値を重視するコレクター志向の方。
アストンマーティン DB11が宿す英国の美学と内装デザイン

ここでは、アストンマーティン DB11の魅力の核心であるデザインと内装について解説します。スペックや速さだけでは語れない、このクルマが持つ芸術的価値に迫ります。
ここではDB11のデザインの概要に触れました。デザイナーの哲学、英国文化との関連性、そして職人技が光る内装のディテールについて、さらに深く知りたい方は、こちらのデザイン特集記事がおすすめです。
→ 【英国の美学】アストンマーティンDB11のデザインと内装に宿るブランド哲学
職人技が光る。Bridge of Weir製レザーが織りなす内装空間
DB11の内装は、スコットランドの名門「Bridge of Weir」製のレザーがふんだんに使用され、その大部分が職人の手作業によって仕上げられています。(出典: M.AUTO)
ステッチの一つ一つにまでこだわり抜かれた空間は、まさに「走る工芸品」。ドアを開けた瞬間から、特別な高揚感を得られるでしょう。
オーナーが語る満足点と、唯一の弱点「インフォテインメントシステム」
多くのオーナーが内装の質感やデザインを最高の満足点として挙げる一方で、共通のウィークポイントとして指摘するのが「インフォテインメントシステム」です。
ナビゲーションの操作性やバックカメラの画質などが、現代の基準ではやや古く感じられるという声が少なくありません。(出典: みんカラ)
空力の芸術「エアロブレード」に隠されたデザイン哲学
DB11のデザインは、単に美しいだけではありません。チーフデザイナーのマレック・ライヒマンは「フォルムは必ずしも機能に従う必要はない」という哲学のもと、空力性能をデザインに昇華させました。(出典: HAKKO-LR)
その象徴が、リアピラーに内蔵された「エアロブレード」です。ボディサイドから取り込んだ空気を車体内部のダクトを通してリアエンドから排出することで、リアスポイラーなしでダウンフォースを発生させる画期的な技術です。(出典: Motor Magazine Web)
【価格・相場】アストンマーティン DB11の新車・中古車価格のすべて

ここでは、アストンマーティン DB11の購入を具体的に検討するために不可欠な、価格と市場相場について詳しく解説します。新車価格から最新の中古車相場、そして将来的な価値までを網羅します。
新車価格は2,580万円から。モデル別価格一覧
DB11の新車価格は、V8クーペの約2,580万円から、V12ヴォランテの約3,800万円までと、モデルによって大きな幅があります。(出典: グラーツ・アストンマーティン銀座)
現在の中古車相場と価格推移(2025年最新版)
2025年時点での中古車市場での平均価格は約2,000万円前後で推移しています。
後継モデルDB12の登場により、今後、初期モデルを中心に価格は緩やかに下落していくと予想されますが、V12モデルなどは希少性から価値が維持される可能性もあります。(出典: 価格.com)
リセールバリューは3年で50%前後。競合モデルとの比較
DB11の3年落ちでのリセールバリュー(残価率)は、おおよそ45%~55%が目安とされています。(出典: Dreaming-Luxury.com)
これは、フェラーリ・ローマ(約70%)やベントレー・コンチネンタルGT(約60%)といった一部の競合と比較すると、やや低い水準です。しかし、これはDB11の価値が低いということではなく、ブランドの立ち位置や市場特性によるものです。
【維持費の現実】アストンマーティン DB11は年間いくらかかる?

ここでは、オーナーにとって最も気になる「維持費」の現実を、具体的な数字と実例を交えて徹底的に解説します。憧れだけで終わらせないための、リアルなコストシミュレーションです。
維持費の全体像:年間120万~300万円の内訳
アストンマーティンDB11の年間維持費は、乗り方や整備内容によって大きく変動しますが、一般的には120万円から300万円の範囲に収まることが多いようです。(出典: kurumareki.com)
この金額には、税金、保険、燃料費、そして定期的なメンテナンス費用が含まれます。
【実例】車検費用:専門工場なら約20万円、ディーラー5年目で約57万円
車検費用は、どこで受けるかによって大きく異なります。
上記はあくまで一例ですが、正規ディーラーは手厚いサービスが受けられる一方、コストを抑えたい場合は信頼できる専門工場を探すのも有効な手段です。(出典: みんカラ)
【実例】消耗品費用:タイヤ交換60万円、ブレーキパッド交換25万円
高性能なGTであるDB11は、消耗品も高額です。
これらの費用は、安全に走り続けるために不可欠なコストです。(出典: Goo-netピット)
税金と保険料はいくら?
この記事では維持費の概要を解説しますが、税金や保険料、リセールバリューまで含めた、より詳細な「総所有コスト」に関心がある方は、こちらの特集記事をご覧ください。年間のリアルな出費を具体的にシミュレーションできます。
→ 【2025年版】アストンマーティンDB11の維持費と価格の現実|中古相場とリセール価値を徹底分析
失敗しない!アストンマーティン DB11中古車購入完全ガイド
ここでは、魅力的な価格になってきた中古のDB11を、安心して購入するための具体的な方法とチェックポイントを解説します。後悔しないためのプロの視点です。
認定中古車「タイムレス」と一般中古車のメリット・デメリット
アストンマーティンには「タイムレス」というメーカー独自の認定中古車制度があります。
【購入前チェックリスト】ここだけは見ろ!電装系・内装・オイル漏れ
中古のDB11を実車確認する際は、以下のポイントを特に注意してチェックしましょう。
(出典: LuxuryLane.tech, Goo-netピット)
要注意!高額修理に繋がる故障事例(ワイパー修理など)
DB11の構造的な特徴として、一部の車両ではワイパーの修理にエンジン脱着が必要となるケースがあり、その場合の修理費は約15万円と高額になることがあります。
購入前に整備記録簿をしっかりと確認し、過去の修理歴を把握しておくことが非常に重要です。(出典: LuxuryLane.tech)
アストンマーティン DB11に関するよくある質問(FAQ)
- QQ1: 故障は多いですか?
- A
A1: 重大な故障は少ないですが、オーナーレビューを見ると、パワーウィンドウやワイパーといった電装系のマイナートラブルは比較的報告されています。購入する際は、保証の手厚い認定中古車を選ぶか、信頼できる専門工場を見つけておくことが安心に繋がります。
- QQ2: 燃費はどれくらいですか?
- A
A2: カタログ上のWLTPモード燃費は7.0〜9.5km/Lですが、オーナーの報告を見ると、市街地走行では4〜6km/L、高速道路での巡航で8〜10km/L程度が実燃費の目安となるようです。
- QQ3: 競合のフェラーリ・ローマやベントレーGTと比べてどうですか?
- A
A3: オーナーの意見を総合すると、運動性能の刺激ではローマ、豪華絢爛さではGTにそれぞれ分があります。DB11の魅力は、そのどちらでもない「スポーティさと快適さ、そして何より気品を完璧なバランスで両立させたGT」という点にあると言えるでしょう。(出典: YouTube)
- QQ4: 家族での利用は可能ですか?
- A
A4: DB11は2+2シーターですが、後部座席は大人が長時間座るには非常に窮屈です。基本的には大人2名での利用と考え、お子様や緊急時用と割り切るのが現実的です。ただし、ラゲッジスペースは270Lあり、2人分の旅行荷物は十分に積載可能です。(出典: AUTOC ONE)
まとめ:アストンマーティン DB11は、人生を豊かにする英国紳士のGT
このアストンマーティン DB11 総合ガイドでは、この美しい英国製GTの全てを徹底的に解説してきました。
本記事で解説したアストンマーティン DB11の重要ポイント
- DB11はDB9後継として登場した、アストンマーティンの新時代を象徴するモデルである。
- ラインナップは軽快な「V8」、官能的な「V12」、開放的な「ヴォランテ」の3種類。
- V8はハンドリング、V12は伝統的なパワーとサウンドにそれぞれ魅力がある。
- 内装は職人技が光る芸術品だが、インフォテインメントは弱点とされる。
- 新車価格は2,580万円からで、中古車は約2,000万円から狙える。
- 3年後のリセールは約50%で、フェラーリ等よりは低い傾向にある。
- 年間維持費は120万円からが現実的なラインで、車検や消耗品は高額。
- 中古車選びでは、電装系と整備記録のチェックが極めて重要。
- 認定中古車「タイムレス」は高価だが、安心という大きな価値がある。
- 競合と比較して、DB11は「気品あるGT」という独自のポジションを確立している。






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