かつて「キング・オブ・ミニバン」として市場に君臨した日産エルグランド。しかし、近年はライバルであるトヨタ・アルファードの躍進により、その影を潜めていたと感じる方も多いのではないでしょうか。
「約16年ぶりのフルモデルチェンジって本当?」
「新しいエルグランドは一体どう変わるの?」
そんな長年のファンの期待と疑問に応える時が、ついにやってきました。
この記事では、エルグランドのフルモデルチェンジを歴代比較という形で、初代から続く壮大な歴史と、2026年に登場する新型の革新的な進化の全貌を、どこよりも詳しく解説します。気になる価格や燃費、そして最大のライバルであるアルファードとの違いまで、すべてを網羅的に理解できる内容となっています。
日産公式の発表や、ジャパンモビリティショー2025の最新情報に基づき、信頼できる情報だけを厳選してお届けします。この記事を読めば、エルグランドの過去・現在・未来のすべてが分かり、あなたが次に選ぶべき一台が見えてくるはずです。
この記事でわかること
- 約16年ぶり!新型エルグランドのフルモデルチェンジの全貌
- 初代(E50)から現行(E52)まで、歴代エルグランドの進化の歴史
- 新型に搭載される第3世代e-POWERとe-4ORCEの驚くべき性能
- 永遠のライバル「アルファード」との徹底比較
- 気になる新型の価格、そして歴代モデルの燃費と維持費
日産エルグランドとは?高級ミニバンの歴史を切り開いた「キング」の軌跡
ここでは、日産エルグランドが日本の自動車史において、いかにして「キング」と呼ばれるほどの特別な存在になったのか、その輝かしい歴史とブランドの価値を紐解いていきます。
衝撃のデビュー:初代エルグランド(E50)が築いた「高級ミニバン」という新市場
1997年、日産はそれまでのミニバンの常識を覆す一台を世に送り出しました。それが初代エルグランド(E50型)です。
当時のミニバンは、商用バンをベースにしたものが多く、「広さ」や「実用性」が主な価値でした。しかし、エルグランドは違いました。
高級セダンのような豪華な内装、力強い走り、そして圧倒的な存在感を放つデザインで登場し、「高級ミニバン」という全く新しい市場を自ら創造したのです。(出典: Goo-netカタログ, melobong)
この革新的なコンセプトは、多くのユーザーに衝撃を与え、瞬く間に市場の人気を独占しました。
なぜ「キング・オブ・ミニバン」と呼ばれたのか?その理由と当時の熱狂
エルグランドが「キング・オブ・ミニバン」と称されたのには、明確な理由があります。
その一つが、FR(後輪駆動)レイアウトの採用です。これにより、FR特有の自然なハンドリングと、静かで快適な乗り心地を実現。まるで高級セダンを運転しているかのような感覚は、他のミニバンとは一線を画すものでした。
加えて、豪華なキャプテンシートや、当時としては画期的な装備の数々が、乗る人すべてに特別な時間を提供。「人を乗せるための車」から「乗る人をもてなすための車」へと、ミニバンの価値観を大きく変えたのです。
この圧倒的な商品力により、エルグランドは市場の王者として君臨し、一つの時代を築き上げました。
ライバル「アルファード」の登場と、激化する王者争いの歴史
エルグランドの成功を見て、ライバルたちが黙ってはいませんでした。2002年、トヨタが満を持して投入したのが、ご存じ「アルファード」です。
アルファードは、エルグランドを徹底的に研究し、より広い室内空間や、さらに豪華な装備を携えて登場。ここから、日本の高級ミニバン市場は、エルグランドとアルファードによる熾烈な王者争いの時代へと突入します。(出典: kuruma-news.jp, JBC-ltdコラム)
世代を重ねるごとに両者は互いを意識し、進化を続けてきました。この終わりなき戦いが、日本のミニバンを世界でも類を見ないほど、豪華で快適なものへと昇華させたのです。
【歴代モデル徹底比較】エルグランドのフルモデルチェンジの歴史を辿る
ここでは、初代から3代目まで、エルグランドがどのようなフルモデルチェンジを経て進化してきたのか、その歴史を具体的に辿ります。
各モデルのスペックや特徴を比較することで、新型への期待がさらに高まるはずです。
初代エルグランド(E50型|1997年~):FRレイアウトがもたらした走りの良さと風格
初代E50型は、前述の通り「高級ミニバン」のパイオニアです。
最大の特徴は、当時のミニバンとしては異例のFR(後輪駆動)レイアウトと、堅牢なラダーフレーム構造にありました。(出典: melobong)
これにより、商用車ベースのミニバンとは一線を画す、どっしりとした安定感のある走りと、高級車にふさわしい静粛性を実現。V6 3.3Lエンジンがもたらす余裕のあるパワーも相まって、多くのドライバーを魅了しました。
まさに、エルグランドの伝説はここから始まったのです。
2代目エルグランド(E51型|2002年~):FF化への大転換と、室内空間の飛躍的向上
2002年に登場した2代目E51型は、大きな転換点を迎えます。最大のライバルであるアルファードの登場を受け、日産はプラットフォームをFRからFF(前輪駆動)へと変更する決断を下しました。(出典: melobong)
この変更により、フロアを低く設計することが可能になり、室内空間が飛躍的に向上。乗降性の改善や、より多彩なシートアレンジが実現し、ファミリー層からの支持をさらに集めることに成功しました。
エンジンも名機と名高い「VQ35DE」を搭載するなど、走行性能にも磨きをかけ、王者としての意地を見せつけたモデルです。
3代目エルグランド(E52型|2010年~):低床プラットフォーム採用と、豪華さを極めた内装
2010年に登場し、長きにわたり販売された現行モデルが3代目E52型です。
このモデルのキーワードは「低床・低重心プラットフォーム」。これにより、ミニバンとは思えないほどの優れた操縦安定性と、揺れの少ない快適な乗り心地を実現しました。(出典: Goo-netカタログ, JBC-ltdコラム)
また、オットマン付きのキャプテンシートや、細部までこだわり抜いたインテリアは、まさに「走るVIPルーム」。豪華さを極めた内装で、アルファードとの差別化を図りました。
しかし、約16年という長いモデルライフの中で、先進安全装備や燃費性能の面で、ライバルに差をつけられてしまったのも事実です。
【一覧表】歴代エルグランドのスペック比較:サイズ・エンジン・燃費・新車価格の変遷
各世代の進化を、スペックで比較してみましょう。
| 世代 | 生産期間 | 全長×全幅×全高(mm) | エンジン(代表例) | 燃費(当時の基準) | 新車価格帯(当時) |
|---|---|---|---|---|---|
| 初代 (E50) | 1997-2002 | 約4740×1775×1940 | 3.3L V6 | 7-8km/L | 約300万円~ |
| 2代目 (E51) | 2002-2010 | 約4800×1800×1910 | 3.5L V6 | 8-9km/L | 約310万円~ |
| 3代目 (E52) | 2010-2025 | 約4945×1850×1815 | 3.5L V6 | 8.7~10.0km/L (WLTC) | 約360万円~ |
| 新型 (4代目) | 2026年~ | 4995×1895×1965 | 第3世代e-POWER | 19km/L前後 (WLTC・予測値) | 約480万円~(予測値) |
※サイズや価格はグレードにより異なります。燃費は参考値です。
この表からも、エルグランドが世代を重ねるごとに大型化し、価格も上昇してきたことがわかります。そして、新型がいかに燃費性能を劇的に向上させてくるかが、最大の注目点と言えるでしょう。
【約16年ぶりの集大成】新型エルグランド(2026年)のフルモデルチェンジ詳細
ここでは、2025年10月の「ジャパンモビリティショー2025」でついにその姿を現した、新型エルグランドのフルモデルチェンジの核心に迫ります。約16年分の進化は、まさに圧巻の一言です。(出典: 日産自動車公式, Car Watch)
デザイン:「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」が示す、新しい日本の高級感
新型エルグランドのデザインは、「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」というコンセプトを掲げています。
これは、日本の伝統美と先進性を融合させた、日産の新しいデザイン言語です。特に目を引くのが、日本の伝統工芸である「組子」をモチーフにしたフロントグリルやインテリアパネル。(出典: JBC-ltdコラム)
ただ豪華さを追求するだけでなく、静かで品格のある、新しい日本の高級感を表現しています。この独創的なデザインは、多くのライバル車の中で埋没しない、強い個性を放っています。
パワートレイン:革命的な進化を遂げた「第3世代e-POWER」と四輪制御技術「e-4ORCE」
新型エルグランドの最大の目玉は、パワートレインの全面刷新です。
【用語解説】e-POWER
エンジンは発電に徹し、100%モーターの力で走行する日産独自の電動パワートレイン。EVのような滑らかで力強い加速と、優れた静粛性が特徴です。
搭載されるのは、効率を極限まで高めた「第3世代e-POWER」。これにより、ミニバンとは思えないほどの力強い加速と、驚異的な燃費性能の両立が期待されます。(出典: 日産 e-POWER公式)
さらに、四輪の駆動力を緻密に制御する「e-4ORCE」も搭載。悪天候やカーブなど、あらゆる路面状況で安定した快適な走りを提供します。これは、もはやミニバンの走りを超えた、新しい次元の体験と言えるでしょう。
なお、専門誌などでは純ガソリンエンジンモデルは廃止され、e-POWER専用車になる可能性が高いと見られていますが、こちらも公式な発表が待たれます。
先進技術:ついに搭載される「プロパイロット2.0」と、AIがシートを自動調整する新機能
先進技術においても、新型エルグランドは大きな進化を遂げました。
ついに、高速道路でのハンズオフ走行を可能にする高度運転支援技術「プロパイロット2.0」が搭載されます。(出典: Car Watch)長距離移動が多いミニバンにとって、これはドライバーの疲労を劇的に軽減する、非常に価値のある機能です。
さらに、AIが乗員の体格や姿勢を検知し、最適なシートポジションを自動で調整するという、世界初の機能も採用。まさに、車が乗員一人ひとりに寄り添う、未来の快適性が実現されています。
内装とサイズ:アルファードを超えるか?クラス最大級の室内空間とBOSEサウンドシステム
新型エルグランドのボディサイズは、全長4995mm×全幅1895mm×全高1965mm。特に全幅と全高は、ライバルのアルファードを上回る堂々たる体躯です。(出典: car-repo.jp, webCG)
このサイズアップは、そのまま室内空間の拡大に繋がり、クラス最大級の広さと開放感を実現しています。
また、室内にはBOSE社と共同開発した22個ものスピーカーが配置され、まるでコンサートホールのような臨場感あふれる音響体験を提供。移動時間が、かつてない上質なエンターテイメントの時間へと変わります。
あわせて読みたい:新型エルグランドのスペック詳細
2026年に登場する新型エルグランドの、より詳細な発売日、価格、内装、そして気になるサイズ感については、こちらの記事で徹底的に解説しています。購入を検討されている方は、まずはこちらで最新情報をご確認ください。
→ 新型エルグランドの発売日はいつ?価格・内装・サイズを徹底解説

永遠のライバル「アルファード」と新型エルグランドを徹底比較
ここでは、高級ミニバン市場の絶対王者「トヨタ・アルファード」と、復活を遂げた新型エルグランドを徹底的に比較します。どちらがあなたにとって最適な一台なのか、その答えを見つける手助けとなるはずです。
比較1:ボディサイズとエクステリアデザイン – 存在感で勝るのはどっち?
まず、車の第一印象を決めるデザインとサイズです。
- 新型エルグランド: 全幅1895mm、全高1965mm
- アルファード: 全幅1850mm、全高1950mm
数値上、新型エルグランドの方がよりワイドで背が高いことがわかります。これにより、道路上での存在感はエルグランドに軍配が上がるかもしれません。(出典: webCG)
デザイン面では、威風堂々としたフロントグリルで押し出し感を強調するアルファードに対し、エルグランドは「組子」モチーフで知的かつ品格のある佇まいを演出。これは好みが分かれるところですが、エルグランドの独自性は大きな魅力です。
比較2:走行性能と燃費 – 「e-POWER」vs「ハイブリッド」の戦い
走行性能と経済性は、車選びの重要な要素です。
- 新型エルグランド: 第3世代e-POWER(100%モーター駆動)
- アルファード: THS-IIハイブリッド(エンジンとモーターを併用)
最大の違いは、エルグランドが常にモーターのみで走行する点です。これにより、発進から非常にスムーズで力強い、EVのような加速感を味わえます。静粛性においても、エンジンがかかる頻度が少ないe-POWERが有利と推測されます。
燃費性能では、両者ともに高いレベルにありますが、特に市街地走行が多い場合は、モーター駆動の領域が広いe-POWERの方が実燃費で有利になる可能性があります。
比較3:内装の高級感と居住性 – 後席で過ごす時間はどちらが快適か
後席の快適性は、ミニバンにとって最も重要な価値の一つです。
両車ともに、本革のオットマン付きシートや大型ディスプレイなど、贅を尽くした装備を誇ります。甲乙つけがたいレベルですが、注目すべきはサウンドシステムです。
アルファードがJBL製の14スピーカーを搭載するのに対し、エルグランドはBOSE製の22スピーカーを搭載。音質にこだわるなら、エルグランドが一歩リードしていると言えるかもしれません。(出典: webCG)
また、エルグランドのAIによるシート自動調整機能も、長距離移動での快適性に大きく貢献するでしょう。
結論:あなたが選ぶべきはエルグランドか、アルファードか?
ここまでの比較をまとめると、以下のように言えるでしょう。
最終的には、あなたの価値観が決め手となります。ぜひ両方の車を実際に見て、触れて、確かめてみてください。
あわせて読みたい:永遠のライバル、アルファードとの徹底比較
エルグランドを検討する上で避けては通れないのが、王者アルファードの存在です。デザイン、走行性能、高級感、そしてリセールバリューまで、あらゆる角度から両者を徹底比較した記事をご用意しました。
あなたがどちらを選ぶべきか、この記事が答えを導き出します。
→ 【比較】エルグランドvsアルファード、どっちが買い?違いと魅力を徹底解説

エルグランドの価格と燃費は?歴代から新型までを検証
ここでは、購入を検討する上で最も気になる「お金」の問題、つまり価格と燃費について、歴代モデルから新型までを具体的に見ていきます。エルグランドのコストパフォーマンスを正しく理解しましょう。
歴代エルグランドの新車・中古車価格の推移
エルグランドは、初代から高級ミニバンとして位置づけられてきました。
新型エルグランド(2026年モデル)のグレード別予想価格
新型エルグランドは、その革新的な技術と豪華な装備から、価格の上昇が予測されています。
複数の自動車専門メディアの情報を総合すると、エントリーグレードで約480万円、最上級グレードでは約630万円あたりが現実的な価格帯になると予測されています。ただし、これは公式発表ではなく、あくまで2025年10月時点での参考値です。(出典: car-repo.jp)
これは、ライバルのアルファードのエントリーグレード(約540万円)と比較すると、戦略的に競争力のある価格設定と言えるかもしれません。
e-POWERは本当に経済的?歴代モデルとの燃費比較
新型エルグランドの最大の魅力の一つが、e-POWERによる燃費性能の劇的な向上です。
この数値が実現すれば、燃費性能は大幅に向上することになります。ただし、これはあくまで専門誌などによる2025年10月時点での予測値であり、正式な発表が待たれます。
燃料費が高騰する現代において、この改善は年間の維持費に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。
リセールバリューは期待できる?アルファードとの差
リセールバリュー(再販価値)は、車を所有する上でのトータルコストに大きく関わります。
これまで、エルグランドのリセールバリューは、残念ながらアルファードに及ばないのが実情でした。しかし、新型エルグランドは状況が変わる可能性があります。
待望のフルモデルチェンジであること、そして燃費性能に優れるe-POWER専用車となることから、中古車市場でも従来モデル以上の人気となることが期待されます。アルファードほどの驚異的なリセール率にはならないかもしれませんが、従来モデルよりは改善されると見て良いでしょう。
あわせて読みたい:e-POWERの維持費は本当に安い?
この記事でエルグランドの価格と燃費の概要をご理解いただけた今、次に気になるのは「実際の維持費は年間でいくらかかるのか?」ではないでしょうか。税金、保険料、メンテナンス費用まで含めた詳細なコストを、こちらの記事でシミュレーションしています。
→ エルグランドの燃費と維持費を検証!e-POWER搭載モデルのコスパは?
日産エルグランドに関するよくある質問(FAQ)
ここでは、日産エルグランドに関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
- QQ1: 新型エルグランドの正式な発売日はいつですか?
- A
A1: 2026年夏頃と公式に発表されています。
- QQ2: e-POWERの乗り心地は、これまでのガソリン車とどう違いますか?
- A
A2: モーター駆動による静かで力強い加速が特徴で、EVに近い滑らかな乗り心地が期待できます。
- QQ3: 歴代エルグランドの中で、中古で買うならどのモデルがおすすめですか?
- A
A3: 豪華さと価格のバランスを考えると、3代目のE52型後期モデルが狙い目です。ただし、燃費性能には注意が必要です。
- QQ4: 新型エルグランドの弱点や懸念点はありますか?
- A
A4: 車両価格が従来モデルより上昇する可能性が高い点や、e-POWERシステムの長期的な信頼性などが挙げられます。
まとめ:【エルグランド フルモデルチェンジ 歴代 比較】で分かった、キングの未来
この記事では、エルグランドのフルモデルチェンジの歴史を歴代モデルと比較しながら、2026年に登場する新型の全貌に迫りました。
最後に、本記事で解説した「エルグランドの進化」のポイントを振り返りましょう。
- 初代(E50)は高級ミニバン市場の創造主であった
- 2代目(E51)でFF化し、アルファードとの競争時代へ
- 3代目(E52)は低床化で走行性能と豪華さを両立
- 新型(2026)は約16年ぶりの集大成としてe-POWERを搭載
- デザイン、走行性能、先進技術の全てで革新的な進化を遂げた
- 燃費性能が大幅に向上し、経済性も高まる
- アルファードとは「走りの楽しさ」と「独創的なデザイン」で差別化
- 価格は上昇するが、それに見合う価値を提供
- エルグランドは再びミニバン市場の主役を目指す
約16年の時を経て、エルグランドはまさに「キングの帰還」にふさわしい、圧倒的な進化を遂げました。それは単なる移動手段ではなく、乗る人すべてに上質な時間と体験を提供する、新しい時代の高級車です。
この記事が、あなたのエルグランドに対する理解を深め、最高のクルマ選びの一助となれば幸いです。




コメント