ZR-Vとヴェゼル、デザインも走りも魅力的だけど、実際のところ維持費はどっちが安いの?
ホンダの人気SUV、ZR-Vとヴェゼルを前に、多くの人が同じ疑問を抱えています。車両価格だけでなく、購入後の数年間でかかるトータルコストを知らなければ、本当に賢い選択はできません。
この記事では、ZR-Vとヴェゼルの維持費を比較し、5年間の総額でどちらがどれくらいお得になるのか、具体的な数字で明確に解説します。
単なる税金や燃費だけでなく、見落としがちな任意保険料の差や、数年後の売却価値であるリセールバリューまで含めた「トータルコスト」を徹底的にシミュレーション。最新の公式データや中古車市場の相場に基づき、専門家が客観的に分析します。
この記事を読めば、あなたのカーライフに本当にフィットする一台が、維持費の面から見えてくるはずです。
この記事でわかること
- ZR-Vとヴェゼルの5年間の維持費総額の差
- 税金、保険料、車検代など具体的な費目の違い
- 最新データに基づくリアルなリセールバリュー
- あなたの乗り方ならどちらがお得になるかの最終結論
※この記事では「維持費とリセール」に特化して解説します。サイズや走行性能まで含めた総合的な比較を知りたい方は、まずはこちらの総合解説記事をご覧ください。
→ ZR-Vとヴェゼル比較!どっちが買い?サイズ・燃費・維持費で徹底解説
【結論】ZR-Vとヴェゼルの維持費、5年総額で安いのはどっち?
ここでは、いきなり結論からお伝えします。ZR-Vとヴェゼルの5年間の維持費を比較すると、どちらが安いのでしょうか。
5年間の維持費トータルコスト比較表
| 費用項目 | ZR-V (e:HEV) | ヴェゼル (e:HEV) | 差額(ヴェゼルが安い) |
|---|---|---|---|
| 自動車税 | 197,500円 | 152,500円 | 45,000円 |
| 重量税 | 32,800円 | 24,600円 | 8,200円 |
| 車検費用(2回) | 200,000円 | 180,000円 | 20,000円 |
| 燃料費 | 472,220円 | 425,000円 | 47,220円 |
| 任意保険料 | 350,000円 | 300,000円 | 50,000円 |
| 5年間の合計 | 1,252,520円 | 1,082,100円 | 170,420円 |
| 年間平均 | 約250,504円 | 約216,420円 | 約34,084円 |
※税金は本記事執筆時点の税率。車検費用、燃料費、保険料は一般的な目安。エコカー減税などの適用で変動します。
なぜヴェゼルの方が年間約3.4万円安いのか?費目別の概要解説
上記の表の通り、5年間のトータルコストで比較すると、ヴェゼルの方が約17万円、年間平均で約3.4万円安いという結果になりました。
主な要因は以下の通りです。
このように、購入後のランニングコストを考えると、ヴェゼルに軍配が上がります。
ただしリセールバリューを含めると、ZR-Vにも勝機あり
一方で、注目すべきはリセールバリュー(再販価値)です。
ZR-Vは新しいモデルながら、その上質な内外装と走行性能から、中古車市場でも高い人気を誇ります。3年後のリセールバリューは60%〜68%と予測されており、これはヴェゼルの70%前後に迫る勢いです。(出典: melobong.com)
もし5年後に車を売却する場合、ZR-Vの方が高く売れる可能性があり、維持費の差をリセール価格で取り戻せるシナリオも十分に考えられます。
【項目別】ZR-Vとヴェゼルの維持費を徹底比較①:税金(自動車税・重量税)
ここでは、維持費の基本となる税金について、具体的な金額差を詳しく見ていきましょう。車を所有しているだけで毎年かかる固定費なので、重要な比較ポイントです。
自動車税は排気量の差でヴェゼルが年間9,000円お得
自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点の車の所有者に対して課される税金で、エンジンの排気量によって金額が決まります。
排気量が小さいヴェゼルの方が、年間で9,000円、5年間で45,000円も自動車税が安くなります。これは大きな差と言えるでしょう。
重量税は車重の差でヴェゼルが有利!エコカー減税の影響は?
自動車重量税は、その名の通り車両の重さに応じて課される税金で、新車購入時と車検時に支払います。
- ZR-V (e:HEV): 車両重量1,570kg前後 → 2年で32,800円
- ヴェゼル (e:HEV): 車両重量1,350kg前後 → 2年で24,600円
こちらも車重が軽いヴェゼルの方が安くなります。(出典: carlease-magazine.jp)
ただし、ZR-Vもヴェゼルもハイブリッドモデルはエコカー減税の対象となるため、新車登録時の重量税が免除または減額される場合があります。グレードや登録年度、税制改正によって適用内容が若干異なるため、購入前に販売店で最新のシミュレーションを確認するのがおすすめです。
【用語解説】エコカー減税
燃費や排ガス性能が優れた環境負荷の少ない車に対して、自動車重量税が減税される制度のことです。
購入時にかかる環境性能割の比較
環境性能割は、車の購入時にかかる税金で、燃費性能に応じて税率が変わります。
ZR-V、ヴェゼルともにe:HEVモデルは燃費性能が非常に優れているため、税率は非課税となる場合がほとんどです。したがって、この項目での維持費の差はほぼないと考えてよいでしょう。
【項目別】ZR-Vとヴェゼルの維持費を徹底比較②:車検費用
ここでは、2年に1度(新車購入後は3年後)に必ずやってくる車検の費用について比較します。まとまった出費となるため、事前に把握しておくことが大切です。
ディーラー車検 vs 専門店の費用比較シミュレーション
車検費用は、大きく分けて「法定費用」と「整備費用」の2つで構成されます。
- 法定費用: 重量税、自賠責保険料、印紙代など、どこで受けても金額が変わらない費用。
- 整備費用: 点検、部品交換、工賃など、業者によって金額が変わる費用。
一般的に、手厚いサービスが受けられるディーラーは高め、効率的な運営の専門店は安めの傾向があります。
| ディーラー車検 | 専門店 | |
|---|---|---|
| ZR-V | 約12万円〜15万円 | 約8万円〜12万円 |
| ヴェゼル | 約10万円〜13万円 | 約7万円〜11万円 |
ZR-Vの方が重量税が高いことや、使用部品が若干高価な場合があるため、ヴェゼルに比べて1回あたり1〜2万円程度高くなる可能性があります。(出典: www.carseven.co.jp, carlease-magazine.jp)
部品交換費用に差は出る?ZR-Vとヴェゼルの注意点
ZR-Vとヴェゼルは、どちらもホンダ製の信頼性が高い車ですが、年数が経てば消耗品の交換が必要になります。
特に、タイヤサイズがZR-Vの方が大きい(18インチ)ため、タイヤ交換時の費用はヴェゼル(16〜18インチ)よりも高くなる傾向があります。
また、ハイブリッドバッテリーの寿命も気になるところですが、ホンダは「10年10万km」の特別保証を付けている場合が多く、通常の使用で高額な交換費用が発生する心配は少ないでしょう。
【項目別】ZR-Vとヴェゼルの維持費を徹底比較③:燃料費(ガソリン代)
ここでは、日々のランニングコストに直結する燃料費について、具体的なシミュレーションで比較します。乗れば乗るほど、この差は大きくなっていきます。
カタログ燃費と実燃費の比較
まず、公式発表されているカタログ燃費(WLTCモード)を見てみましょう。
カタログ上では、ヴェゼルの方が燃費性能に優れています。
ただし、これはあくまで国が定めた測定モードでの数値。実際の燃費(実燃費)は、運転スタイルや道路状況によって変わります。一般的に、実燃費はカタログ燃費の7〜8割程度と言われています。
年間走行距離別(5,000km / 10,000km / 15,000km)のガソリン代シミュレーション
それでは、実燃費を仮定して、年間のガソリン代を計算してみましょう。
- 前提条件:
- ガソリン価格: 170円/L
- ZR-Vの実燃費: 18.0km/L
- ヴェゼルの実燃費: 20.0km/L
| 年間走行距離 | ZR-Vの年間ガソリン代 | ヴェゼルの年間ガソリン代 | 差額(ヴェゼルが安い) |
|---|---|---|---|
| 5,000km | 約47,222円 | 約42,500円 | 約4,722円 |
| 10,000km | 約94,444円 | 約85,000円 | 約9,444円 |
| 15,000km | 約141,666円 | 約127,500円 | 約14,166円 |
年間1万km走る一般的なドライバーの場合、年間で約1万円、5年間で約5万円もヴェゼルの方がガソリン代を節約できる計算になります。(出典: melobong.com)
高速道路と市街地、シーン別の燃費傾向の違い
一般的に、ハイブリッド車はストップ&ゴーの多い市街地で燃費が伸び、高速道路ではエンジン主体になるため燃費が落ちる傾向があります。
しかし、ZR-Vに搭載されている2.0Lエンジンは、高速巡航時の効率も考慮されているため、高速道路でも安定した燃費を期待できます。
一方、ヴェゼルの1.5Lシステムは、やはり市街地での燃費の良さが際立ちます。ご自身の主な利用シーンを考えて比較することが重要です。
【項目別】ZR-Vとヴェゼルの維持費を徹底比較④:任意保険料
ここでは、万が一の事故に備える任意保険料について比較します。年齢や等級によって大きく変わる費用ですが、車両本体の価格や特性も保険料に影響します。
なぜZR-Vの方が保険料が高い傾向にあるのか?車両料率クラスとは
任意保険料は、車種ごとに設定された「車両料率クラス」に基づいて算出されます。これは、車種ごとの事故リスクを統計的に評価したもので、クラス1〜17(自家用普通・小型乗用車)の数字が大きいほど保険料が高くなります。
ZR-Vはヴェゼルに比べて車両本体価格が高いことや、比較的新しい車種であることから、車両料率クラスが高めに設定される傾向にあり、結果として保険料も高くなるのです。
【用語解説】車両料率クラス
車種ごとの事故実績に基づき、「対人賠償」「対物賠償」「人身傷害」「車両保険」の4つの項目で設定されるリスク区分のこと。保険会社はこのクラスを参考に保険料を算出します。
年代・等級別!任意保険料の比較シミュレーション(20代・30代・50代)
あくまで一般的な目安ですが、年代・等級別の年間保険料をシミュレーションしてみましょう。
| 年代・等級 | ZR-Vの年間保険料(目安) | ヴェゼルの年間保険料(目安) |
|---|---|---|
| 20代・新規(6等級) | 約150,000円 | 約130,000円 |
| 30代・ゴールド(15等級) | 約80,000円 | 約70,000円 |
| 50代・ゴールド(20等級) | 約60,000円 | 約50,000円 |
どの年代でも、年間で1〜2万円程度、ZR-Vの方が高くなる可能性があります。
保険料を安く抑えるための3つのコツ
車種による差はありますが、以下の工夫で保険料を安く抑えることは可能です。
- ネット保険を活用する: 代理店を介さないダイレクト型のネット保険は、人件費が抑えられている分、保険料が安い傾向にあります。
- 運転者範囲を限定する: 運転者を本人や夫婦に限定することで、保険料は安くなります。
- 不要な補償を見直す: 車両保険の免責金額(自己負担額)を設定したり、身の回りの品に対する補償を外したりすることで、保険料を調整できます。
【最重要】ZR-Vとヴェゼルの維持費を左右するリセールバリュー比較
ここでは、この記事で最も重要な比較ポイントであるリセールバリューについて掘り下げます。数年後に車を売却する際の価値が、維持費の総額を大きく左右します。
最新オークション相場から見る!3年後のリセールバリュー徹底分析
リセールバリューとは、車を売却する際の再販価値のことです。
- ヴェゼル: 中古車市場での人気が非常に高く、需要が安定しています。3年後のリセールバリューは70%前後と、極めて高い水準を維持しています。(出典: melobong.com)
- ZR-V: 新型モデルながら、その高級感と走行性能から中古車市場でも注目を集めています。3年後のリセールバリューは60%〜68%と予測されており、ヴェゼルに迫る高水準です。(出典: melobong.com)
ZR-Vはまだ市場に出回っている台数が少ないため、今後の動向次第ではヴェゼルを上回る可能性も秘めています。
リセールが高いグレード・カラー・オプションはこれだ!
一般的に、リセールバリューが高くなる傾向があるのは以下の条件です。
ZR-Vであれば「e:HEV Z」、ヴェゼルであれば「e:HEV PLaY」などが、リセールを意識するなら狙い目のグレードと言えるでしょう。
5年後の売却価格を差し引いた「実質的な負担額」の比較
それでは、5年間の維持費から、5年後の売却価格(リセールバリュー)を差し引いた「実質的な負担額」を計算してみましょう。
- 前提条件:
- 車両本体価格: ZR-V 350万円, ヴェゼル 300万円
- 5年後リセール率: ZR-V 55%, ヴェゼル 60%
| ZR-V (e:HEV) | ヴェゼル (e:HEV) | |
|---|---|---|
| 5年間の維持費合計 | 1,252,520円 | 1,082,100円 |
| 5年後の売却価格 | -1,925,000円 | -1,800,000円 |
| 実質的な負担額 | -672,480円 | -717,900円 |
この試算では、売却価格が5年間の維持費合計を上回るため「実質負担額がマイナス」という結果になりました。そして、その差額(利益)はZR-Vの方が大きい可能性があります。
これは、ZR-Vの高いリセールバリューが、年間の維持費の高さを補って余りあることを示唆しています。
ただし、この計算はあくまでシミュレーションです。毎年の消耗部品交換や急な修理費、中古車市場の大きな変動などによって結果は変わるため、参考値としてご覧ください。
FAQ:ZR-Vとヴェゼルの維持費に関するよくある質問
- QQ1: 結局、年間走行距離が何km以上ならヴェゼルの方がお得ですか?
- A
A1: 年間1万km以上走行する場合、燃料費の差が大きくなるためヴェゼルの方がお得になる可能性が高いです。具体的な分岐点は本文のシミュレーションをご覧ください。
- QQ2: ZR-Vのガソリンモデルとヴェゼルのe:HEVでは、維持費はどっちが安いですか?
- A
A2: 初期費用はガソリンモデルが安いですが、毎年の自動車税や燃料費を考慮すると、長期的にはヴェゼルのe:HEVの方が安くなるケースが多いです。
- QQ3: ローンで買う場合、金利を含めた総支払額の差はどれくらいですか?
- A
A3: 金利によって大きく異なりますが、車両本体価格が高いZR-Vの方が、総支払額も高くなるのが一般的です。詳しくはディーラーの見積もりで比較することをお勧めします。
- QQ4: メンテナンスパックは加入した方がお得ですか?
- A
A4: 定期的な点検をディーラーに任せたい方にとっては、個別に依頼するよりも割安になる場合が多いです。特にZR-Vのような新型車では、予期せぬトラブルに備える意味でもメリットがあります。
▼最終結論:あなたに合う一台を見つける
ZR-Vとヴェゼルの維持費について、具体的な数字でご理解いただけたと思います。これで、サイズ、走り、コストという3つの重要な判断材料が揃いました。
最終的にどちらがあなたにとってベストな選択なのか、もう一度全ての情報をまとめた総合比較記事で最終確認をしましょう。
→ ZR-Vとヴェゼル比較!どっちが買い?サイズ・燃費・維持費で徹底解説
まとめ:ZR-Vとヴェゼルの維持費比較で分かった、あなたにおすすめの一台
今回は、ZR-Vとヴェゼルの維持費について、税金からリセールバリューまで徹底的に比較しました。
本記事のポイント
- 5年間の維持費総額はヴェゼルが約17万円安い。
- 年間平均では約3.4万円の差。
- 税金(自動車税・重量税)は排気量と車重でヴェゼルが有利。
- 燃料費は燃費性能に優れるヴェゼルが年間約1万円お得。
- 任意保険料は車両価格の高いZR-Vが高くなる傾向。
- 車検費用はZR-Vが若干高め。
- リセールバリューは両車とも高水準を維持。
- 5年後の売却まで考えるとZR-Vの方が実質負担額が少なくなる可能性も。
- コストパフォーマンスならヴェゼル。
- 走りの質と高級感を加味するならZR-V。





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